認知症の方への関わりとご家族支援について

認知症の方への関わりとご家族支援について

今回は、認知症による易怒性(怒りやすさ)が強く、ご家族の介護負担が増大したケースについてご紹介いたします。

同居されているご家族が対応に困り、介護保険の申請を行いましたが、ケアマネジャーの訪問時にはご本人との対面や会話が困難な状況でした。その後、当ステーションへ訪問看護の依頼があり、関わりが開始となりました。

初回訪問時、ご自宅に入るとすぐに「私には関係ない」と話され、ご本人は自室へ戻られ、直接の関わりは難しい状況でした。そのため、まずはご家族よりこれまでの経過や日常の様子について詳しくお話を伺いました。

主治医からは漢方薬(抑肝散)や貼付剤が処方されていましたが、貼付剤は皮膚のかゆみが出現し継続困難となり、内服についても拒否がみられている状況でした。

そこで当ステーションでは、ご家族に対し認知症の方への関わり方として以下の点をお伝えしました。

・ご本人の発言を否定せず受け止めること
・忘れていることを指摘しないこと
・言い争いになっても深追いせず、距離を取ること
・ご家族が感情を溜め込まず、訪問時に思いを話せる場を活用すること

その後、週1回の訪問を継続しました。開始から3週間は、訪問時に自室へ閉じこもられる状況が続きましたが、無理に関わろうとはせず、帰宅時には必ず挨拶を行うなど、安心感を持っていただけるよう関係づくりを大切にしました。

また、ご家族が助言を実践されたことで、徐々にご本人の易怒性が軽減し、「最近は怒りっぽくない」との変化もみられるようになりました。

4週目の訪問時には、ご本人が自室へ戻ることなく、同じ空間で過ごされる様子がみられ、簡単な会話も可能となりました。少し距離を保ちながらテレビを観て過ごされるなど、落ち着いた時間を共有することができました。

ご家族からは「関わり方を変えたことで怒らなくなった」との言葉があり、対応の工夫がご本人の状態の安定につながったことがうかがえました。

訪問時にご本人へ次回訪問について確認すると、「いいわよ。あなた名前なんていうの?」といった言葉も聞かれ、関係性の変化が感じられました。また、「体調は悪くないけど、頭が悪いのよ」とご自身の状態について話される場面もありました。

認知症の方への関わりにおいては、薬物療法だけでなく、周囲の理解と関わり方が大きく影響します。今回の事例を通して、ご家族への支援と適切な関わりが、ご本人の安心感や症状の安定につながることを改めて実感しました。

当ステーションでは、今後もご本人とご家族双方に寄り添いながら、安心して在宅生活を継続できるよう支援してまいります。

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